【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第52章 最終章 Begin Again
久しぶりのキス
久しぶりの零の唇に胸がときめいて苦しい。
キスするってことは、やっぱり期待していい?
ダメ?
久しぶりに会って舞い上がってキスしてるだけ?
いろんな思いを抱えながら零のキスを受け入れていると、零はゆっくりと唇を離した後に尋ねた。
「…彼氏はいいの?」
彼氏…って、誰?!
全然ピンと来ないわたしに零が出してきたのはレオンの名前。
的外れなその勘ぐりに大慌てで否定すると、零はホッとしたような顔をした。
そんな顔、期待しちゃう…
だけどわたしも確かめなきゃ。
そう思い、わたしからも零に聞きたかったことを尋ねた。
「…零は、彼女いる?」
「僕は…」
答えを聞く瞬間、急に怖くなったわたしは慌てて僕の口を塞いだ。
「ま、待って!心の準備するから。
だって、2年も連絡寄越さないで、今更零と一緒にいたいって戻ってくるなんて、都合良すぎるよね!?」
わかってる。
結局わたしは自分の夢を優先してアメリカに行ったんだから。
今更、アーティストとしての夢は叶えたから今度は女としての夢を。
なんて都合が良すぎる。
だけど、どんなに卑怯だと思われても良い。
零のこと、2年経ってもこんなに惹かれてるんだから。
「でも…もし、零に彼女がいてもわたしは…」
零の瞳をじっと見つめて、お願い。この気持ちが届きますように。
そう願っていたら、零がまたわたしの唇を奪った。
「んっ…」
何度も、何度も角度を変えて、啄むようにキスを繰り返す零。
ねぇ、こんなキスされたら、今更彼女いますって言われても諦められないよ…?
それとも、このキスは、嬉しくてたまらないと言う零の気持ちが迸ってる証拠?
ゆっくりと離して、おでこに零の額がコツ…と合わさる。
そして、零の指がわたしの髪を撫でながらちゃんと答えをくれた。
「いない」
「…本当?」
「ずっと、2年間ずーっと、リラのことだけ考えてた。
この日を、夢見てた。
まだ、夢みたいだ…」
そう言って、またわたしの身体を軋むぐらい強く抱きしめてくれた。