【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第52章 最終章 Begin Again
そう言ったリラは、塞いでいた僕の口から手を離し、瞳を揺らしながら僕をじっと見つめた。
「でも…もし、零に彼女がいてもわたしは…」
リラのその潤んだ瞳に吸い込まれそうになった僕は、思わずまたリラの唇を強引に奪う。
「んっ…」
こんなに、我慢できずに何度も何度もリラにキスする癖に、彼女なんているわけないだろ…
それをわかって欲しくて、ここが人通りのある道端だと言うことも忘れ、リラの唇を目を閉じて感じた。
そしてゆっくりと離して、リラのおでこに自分の額をコツ…と合わせると、髪を撫でながら答える。
「いない」
「…本当?」
「ずっと、2年間ずーっと、リラのことだけ考えてた。
この日を、夢見てた。
まだ、夢みたいだ…」
そう言って、またリラがいるのを確かめるように彼女の身体を軋むぐらい強く抱きしめる僕。
リラは幸せそうに笑った。
「わたしも。
毎日ね、朝起きたら零も起きてるかなーって思うの。
ご飯食べたら、今日何食べたのかなー?って。
夜寝る前に、零がいなくて無性にさみしくなるの。」
そこまで言うと、リラは顔を上げてまた僕の目を真っ直ぐに捕らえた。
「零のことが、好き…ずっと好きだよ」
僕も、君が好きだ。
そう返事をしようとしたけれど、
好き
なんて言葉じゃ、伝えきれないほど溢れた思いを、僕は言葉にしてリラに言った。
「愛してる」
「…っ…零…」
「もう一度、僕の彼女になってください」
リラの頬を撫でながらそう言うと、リラは目に涙を浮かべながら笑った。
僕の大好きな、あのはにかんだような笑顔で。
「もう一度、零の彼女になりたい」
そして今度は、リラが背伸びをして僕の唇に自分の唇を重ねた。