【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第52章 最終章 Begin Again
「零に、ずっと会いたかった」
その言葉を聞いてたまらなくなった僕は、唐突にリラの唇を奪った。
「っ…ん……」
両手で身体を抱きしめて逃げられないようにして、何度も何度も角度を変えてリラにキスをした。
「っ…零…んッ…」
感情がコントロールできない。
こんなの、久しぶりだ。
リラが今ここにいて、ここで僕とキスしていることを確かめるかのように、何度も何度も。
そしてゆっくり唇を離した僕は、リラに尋ねた。
「…彼氏はいいの?」
散々キスしておいて、その後に彼氏はいいのか?なんて、おかしくて笑ってしまう。
リラは僕の質問に対して、全くピンと来ていない様子で首を傾げた。
「彼氏?だれ?」
「…レオン…なんとか」
リラの新しい恋人など、もはや名前を覚えるのすら拒否していた僕は、さっき園子さんが言った名前の一部を必死に思い出す。
そんな僕に、リラは目を丸くして焦ったように言った。
「え?!レオン!?待って、彼氏じゃないよ!ただの友達!」
「…何度かパパラッチされてたし…」
「あれは、大勢が参加するパーティや食事会で、偶然2人になった瞬間だけ切り取られたの!
それに、レオンはゲイだよ?!」
「…ゲイ」
「うん!ゲイ!」
そこまで言われると、それ以上疑う余地もなく、僕がこの2年間ずっと嫉妬心を抱いていたのはどうやら取り越し苦労だったらしい。
「…なんだ。てっきり…」
と言うことは、リラは僕と別れてから誰とも付き合っていないと言うことか…?
と、この上なく嬉しい現実を目の当たりにしていると、今度はリラが心配そうに僕に尋ねた。
「…零は、彼女いる?」
「僕は…」
その答えを出そうとした時、リラは慌てて僕の口を塞いだ。
「ま、待って!心の準備するから。
だって、2年も連絡寄越さないで、今更零と一緒にいたいって戻ってくるなんて、都合良すぎるよね!?」