【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第51章 優しい彗星
今、まるでこの世の綺麗なものを全てかき集めたように輝くリラの姿を、目に焼き付けたいのに涙でぼやけてよく見えない。
きっと、この先も僕はこの歌声に励まし続けられるんだろう。
どんなときも、変わらず僕を癒やしてくれるんだろう。
リラ…
こんな事言うと、君は可笑しいと笑い飛ばすかもしれないけれど、僕の運命の相手はやっぱり君だよ。
これからもずっと、君のことを忘れられないと思う。
それが、最後に君を愛しているという言葉で傷つけた、僕への罰だ。
好きだよ
愛してる
そんな言葉は届かないほど遠く、リラはまた僕にとって手の届かない存在に戻ってしまった。
そんな現実が辛いのか、リラの歌を聞いて胸を打たれたのか、どうしてかわからないけれど
僕の目からはずっと涙がこぼれてた。
リラの最後の歌が終わるまでずっと。
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