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【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】

第51章 優しい彗星




うーんうーんと悩む梓さんに、藤亜蘭は最後の切り札を出した。


「な?頼むよ。お姉さん。」


梓さんの手を握り、その端正な芸術品みたいな顔でじっと目を見つめると大抵の女は落ちるだろう。

根気強い梓さんも、たちまちまた目がハートになって行き、ついには


「ハイ…行ってらっしゃい安室さん…」


と、まるで催眠術にかけられたかのように了承してしまった。


「えぇ!?あ、梓さん!」

「よし。OKも出たし、行くぞ。
アムロさん」

「は?!ちょ、ちょっと!!」


そんな風に強引に腕を掴まれてポアロから拉致された僕は、藤亜蘭の高級車の助手席に押し込まれた。


人を拉致したというのに、藤亜蘭は平然とした顔して運転席に座って片手でハンドルを握った。


「僕に何の用ですか?一体どこへ…」

「まあ、ちょっとした俺のおせっかいってやつ?」


そんな意味のわからないことをとぼけて言った藤さんは、ポアロ前に停めていた車のアクセルを踏んだ。

何のためにこの男が僕を拉致するのか、どこへ連れて行こうとしているのか、何一つ皆目検討もつかず、僕は抵抗するのも諦めて移りゆく窓の外の景色をぼーっと眺めていた。







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