【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第50章 Last Kiss
リラが強いなんて、間違ってた。
そんなこと、僕が一番よくわかっていたはずなのに。
リラをフッたことを、正当化しようとしたんだ。
リラは大丈夫。強いから。
そう思い込もうとしたけれど、そんなはずはなかった。
テレビの前で泣き崩れるリラを見て、僕は胸が締め付けられる思いでただ画面を見るしか出来なかった。
そんな僕の顔を見て、何かを察したのか風見がテレビを消した。
「…やっぱり、食事中にテレビを見るのは良く無いですよね。
すみません、降谷さん」
時折見せる、風見のこの優秀さには頭が上がらない。
僕は、風見にぽつりとこぼした。
「リラと、別れたんだ」
「そうですか…」
それ以上何も聞かず、風見は僕が作ったリラのための料理を全部美味しそうに平らげてくれた。
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