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【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】

第49章 守りたいもの




零が連れてきてくれたのは、初めてのデートで国立科学博物館の後に来た、シーフードのお店だった。

つまり、今日はわたしたちの初デートと同じデートプラン。
何か意図があるんだろうか?
初心を思い出して、あの頃の気持ちを忘れないようにしたい。とか?

そう勘繰りながら、目の前に出されたシーフードの殻を巻いて口に運ぶと、あまりの美味しさにさっき考えてたことは全て吹き飛んだ。


「んー!やっぱり美味しい!!」

「この店で、リラがシーフード好きだって教えてくれたよな」

「うん!零、何でわたしの好きなものわかるのー?エスパーなの!?って思ってた。」


そう言いながら、大好きな海老をもぐもぐと頬張った。

零は相変わらず、わたしのことをすごく優しい目で眺めてる。


「…ねぇ零、覚えてる?」

「ん?」

「あの時ね、わたしのことググれば大体のことは分かるはずだけど、僕は2人の時間の中でリラのことを知って行きたいって言ってくれたよね」

「…改めて言われると、恥ずかしいですね」

「嬉しかったの。ものすごく…
この人のこと好きになって良かったなって思ったよ」


なんだか今日は、素直な自分の気持ちがボロボロと溢れてくる。
どうしてだろう?
やっぱり最初のデートは特別で、心に色濃く残っているからなのかな。

運ばれてきたデザートも相変わらず絶品だ。

それを食べながら徐に腕時計を見ると、もう夜の23時。
零とのデートは毎回本当に時間が過ぎるのはあっという間。


「…これ食べたら、デート終了?」

「…いや?もう一つ、寄り道したいところが」

「?そうなんだ」


どこだろう?寄り道したいところって。

確か初めてのデートはこのシーフードのお店で終了。
その後帰宅して、初めて零にベッドでキス以上のことをされた。

全部事細かく覚えてるなんて、わたしどれだけ零のこと好きなの…

自分自身に心底呆れながら、わたしは最後のデザートを堪能した。





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