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【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】

第49章 守りたいもの




そんなことを思い出していると、零はぼーっとするわたしの顔を覗き込んで眉を下げて尋ねた。


「気分じゃない?」

「ううん?行きたい!」

「よし。じゃあ行こうか」


そう言って零は車のギアをドライブに入れた。

初デートの場所に行くなんて、なんか不思議な気分だ。
それに、同じところに零と行くのが2回目になるのが嬉しかった。

2回目って、特別だから。

だって、それだけ零と過ごした時間が長くて濃密だと言うことでしょ?

同じ場所に2度行くほど、わたしたちは長い時間一緒に2人で過ごしてきたんだ。

そしてこれからもずっと、3度目も4度目も零とこの場所に来たい。

そう願いながら、窓の外の景色を眺めているといつの間にか車は国立科学博物館へ到着した。


「行こう」

「あ、待って!零」


駐車場に車を停め、博物館へ向かおうとする零を思わず呼び止めたわたし。

首を傾げる零に、わたしは手を差し出しながら聞いた。


「手、つなごう?」


あの日、零がわたしにそう言ってくれたから、今日はわたしから言いたかった。

すると零は優しく笑いながらわたしの手をぎゅっと握る。


「今日はリラから言ってくれましたね」

「ちょっとは、成長したでしょ?」


あの頃は、零がずっとわたしの手を引いてリードしてくれてたけど、零と付き合い始め、たくさんのことを経験して、少しは零の歩くスピードに近づく事が出来ていると思う。

そんな、自分の成長も嬉しかった。



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