【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第49章 守りたいもの
社長に返事をするまで、残り一週間。
それまでに、零にちゃんと返事をしなきゃ。
わたしを、零のお嫁さんにしてくださいって。
零のプロポーズ、返事はイエスだよって言わなきゃ。
そう思いながら、伝える機会を伺っていた。
今日は零よりも早く帰ってきたわたし。
帰宅が夜遅くなるという零が帰ってくるのをベッドの中で待っている。
明日は朝は仕事で午後からはオフ。
明後日は歌番組の生放送だ。
明日の午後は、零とどこかにデートしたいな…
そしてそこで、返事をしたい。
帰ってきたら、誘ってみよう。
そう思いながら時計を見た。
時刻は24時を少し過ぎている。
今日の零はスーツを着て出て行ったから、きっと公安警察の日だ。
危ない目にあっていないといいな…
そして、早く帰ってきて零と抱きしめ合いたい…
そんなこと考えてると、だんだん瞼が重くなってきていつの間にかわたしは意識を手放していた。
夢を見た…
零と初めて出会った時の夢。
ポアロの前で、毛利探偵事務所を見上げていると、零の声がしたの。
ポアロの中に入ると、コーヒーの匂いが鼻をくすぐって、零がコーヒーを入れるところをまじまじと眺めてた。
綺麗な指で、まるで歌うように流れるようにコーヒーを淹れる姿が印象的で、ふわりと笑う笑顔が印象的で、
だけどその笑顔の奥が見えない不思議な人。
そんなことを思ったのを覚えてる。