【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第49章 守りたいもの
僕がリラと一緒にいる未来は、確実に誰かを不幸にする未来。
最悪の場合、間接的に誰かの命を奪うことになるのか…
「…それでも、一緒にいたいんだよ…」
助手席から窓の外を見てぽつりとそう溢す僕。
そんな僕を、風見が終始心配そうにチラチラと目配せしながら言った。
「こんなに何かに悩んでいる降谷さんを見るのは、初めてです…」
「…僕も初めてだよ。こんなに、何かに悩むのは…
いつも割とすんなり最適解を見つけるタイプだったのに、今は…どうすればいいのか全然わからないんだ…」
「降谷さん…」
僕のこの心情を反映するみたいに、窓の外には土砂降りの雨が降り出した。
僕は濡れていく街を、窓からぼんやりと眺めてはため息ばかりが僕の口から漏れた。
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