【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第48章 都会の光の中で ☆
零は、わたしの瞳をじっと見つめて、わたしは思わずそれに吸い込まれそうになる。
優しくてあたたかくて、どこか寂しげな眼差し。
零は出会った時からずっとこんな顔をしてわたしを見ていた気がする。
気づくと零の掌はわたしの左頬に添えられて、ゆっくりと彼の顔が近づいてきた。
何度も、何度も零とキスしてきたのに、未だに唇が重なる瞬間はぎゅっと胸が締め付けられる。
重なるはずのない時間を過ごしていたわたしたち。
そんなわたし達の唇が、東京の夜景に包まれて重なった。
あぁ、なんて幸せなんだろう。
心から大好き、愛しい、愛してると思える人とこうして同じ気持ちになれて、
触れ合って、重なり合って、溶け合う。
これからも、零とこうしてずっと一緒にいたい。
零のそばで、零の腕の中でずっと。
そう思いながら零の唇を受け入れていると、零はわたしからゆっくりと離れた。
もう一度したい。
そう言おうとした時、零の真剣な瞳が私を捕らえた。
「リラ」
一度改めてわたしの名前を呼ばれると、無意識にピンと背筋が伸びた。
そして零は、わたしの手を取りながら優しく言った。
「結婚しようか」
その言葉の意味を理解するよりもずっと先に、わたしの目から自然と大粒の涙がこぼれた。
嬉しい。
そんな言葉じゃどう考えても足りないぐらい、わたしの胸はいっぱいで、ただ零が結婚しようと言ってくれたことが幸せすぎて、ボロボロと涙が勝手に溢れてくる。
こんなわたしでいいの?
わたし、零とずっと一緒にいていい??
もちろんです。
はい、よろこんで。
よろしくお願いします。
なんて言えば、このとてつもなく嬉しい気持ちが零に伝わるんだろう。