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【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】

第46章 掴みかけた夢 ☆




到着したのは言わずと知れた高級ホテル。

宇宙まで伸びてるんじゃないかと思うほど背の高いその建物を見上げながら中に入り、
山岸さんがチェックインを済ませるとわたしに部屋の鍵を手渡した。


「じゃあ、僕は社長に挨拶に行くから、先に部屋に行ってドレスに着替えていて?
後でメイクさんと部屋に行くから」

「はあい」


気の抜けた返事をしてカードキーを受け取ると、メイクと着替えのためにわざわざ押さえたと言うホテルの部屋に向かった。


部屋に入ると、おろしたての黒のロングドレスが壁にかかっている。
おそらく、わたしの専属スタイリストが用意したものだろう。

着てみると、よくもまあと言ったほど、サイズがぴったりだ。

鏡に映った自分を見て、思った。


このドレス、零にも見てもらいたいな…

あ、でも今日はそのまま山岸さんに送ってもらって帰るから、このドレス着たまま帰ることになるかも。

そしたら、零がこれを脱がせてくれるのかな…

鏡に映る自分の後ろから、零の手が伸びてきて、わたしの肩にキスをしながらゆっくりとドレスの肩紐を外す瞬間をつい妄想してしまう。


「ヤバい。わたし…欲求不満女だ…」


昨日散々深く抱かれたはずなのに、自分の我慢の無さに呆れるほど。

そんな時、コンコンと部屋のドアがノックされた。

山岸さんだ!
そう思ったら案の定、メイクさんと山岸さんが部屋の前に立っていたので、わたしは中へと招き入れた。


ホテルの部屋の鏡の前に座り、さっき楽屋でメイクを落としたばかりのすっぴんの顔に、またスキンケア用品を塗るところからスタート。

そりゃ肌荒れするよな…この仕事…

メイクさんからもらったビタミン剤を飲みながら、されるがままわたしの顔はどんどん完成されていく。


手慣れたもので、ヘアメイクは30分で完了。


「じゃあ行こうか」


そう言って山岸さんが歩く後ろをとぼとぼと着いていった。
用意された少しキツイピンヒールをカツカツと鳴らしながら。

レストランに近づくにつれてだんだん緊張してくる。
まるで、今から魔王のお城に出向こうとしているかのように。



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