【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第46章 掴みかけた夢 ☆
午前中は雑誌のインタビューに、音楽番組のコメント撮影。
午後からはお昼のバラエティの生放送に参加し、その後は次のアルバムのジャケットデザインの打ち合わせ。
我ながら今日も大忙しの1日だった。
「疲れたー!!」
全部の仕事が終わった頃にはクタクタで、
わたしは山岸さんが運転する車の後部座席でだらしない声を上げた。
そして、背もたれに体をあずけると、少し寝ようとゆっくり目を閉じる。
そんなわたしを見て、山岸さんがバックミラー越しに目配せしながら言う。
「今日はハードな1日だったね。
まあ、今からもっとハードだけど」
「社長と会食、結構緊張するね…会うの久しぶりだし」
「あ。ホテルに着いたら、部屋とってあるからそこで用意したドレスに着替えてメイクもしてもらうから。
ヘアメイクさんももう手配してある」
その言葉に、わたしは驚きの声を上げる。
「え?!たかが会食でしょ?!ドレスとメイクアップって…」
「そう。日本で一番高級なレストランでね。」
てっきりそのへんの個室レストランで、デニムのままのんびりご飯を食べるだけだと思っていたわたしが甘かった。
さ、さすが社長…
ベルツリーホテルの最上階にあるという、日本で一番高級なレストランのVIPルームでの会食だそうだ。
つまり、それ相応の格好をしないといけないところ。
「はあ…肩こりそうだなー…」
これじゃ仕事の延長だよ…
早く帰って、零の腕枕でまた癒されたい…
そんな呑気なことを考えながら、わたしの身体は会食するレストランが入っているベルツリーホテルへと運ばれた。
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