【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第45章 4枚の桜のはなびら
今日は仕事が夕方に終わり、珍しく早く帰宅できたわたしは、溜まった家事を片付けていた。
このところ、わたしも零もバタバタで、気付けば洗濯物は山積み、冷蔵庫は空っぽという事態に。
とりあえず溜まっていた洗濯物を洗濯機に入れて回したあと、タクシーを使ってスーパーまで買い物に出かけた。
数日また忙しくなってもいいように、買い溜めできるものは買っておかないと。
そんな思いから、食品や日用品を大量購入したわたしは、大荷物を抱えてタクシーに乗り込み、マンションへ2度目の帰宅を果たしたところだ。
「ふー!
わたしも自分の車買おうかなー
2人分の買い物って結構な量になるんだよね…」
そんな贅沢すぎる幸せな愚痴を吐きながら冷蔵庫に買ってきたものをしまい、一度休憩しようとソファーに身体を預けた。
「今日は何時に帰ってくるんですか?零さん」
大好きな安室さんの真似をしてそんな風に呟いたわたし。
するとその瞬間、家のインターフォンが鳴った。
「?誰だろ…宅配の人?」
そう思いながらモニターを確認すると、マンションのエントランスに風見さんが来ているのが見えた。
「ええ?!風見さん!?」
なぜ風見さんが!?
と、慌てながらも、わたしは応答ボタンを押して話しかけた。
「風見さん?どうされたんですか?」
「良かった!リラさん、いらっしゃったんですね…」
心底安心したようにため息を吐く風見さん。
なに…?風見さんがこの家を訪ねてくるなんて、珍しいよね…
そう思っていると、風見さんからまさかの事態が告げられた。
「実は、この近くで張り込みをしていたんですが、降谷さんが高熱で倒れてしまって…
病院に連れていくより、ご自宅も近いですし、リラさんが看てくれるなら…と思い、連れて来たのですが…」
「倒れたって…
と、とにかく今開けますね!上がって来てください!」
思考回路が追いつかず、とにかくエントランスの自動ドアを開け、風見さんに中に入ってくるように伝えた。