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【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】

第44章 ラスボスとの初対面




そうだな。
僕はリラの初体験を貰ったけれど、リラには何も初めてをあげられてなかった。


「僕も君に初めてをあげることが出来て、嬉しい」


そう言ってリラを抱きしめ返すと、嬉しそうに頬を擦り寄せて甘えてくる僕の最愛の彼女。

そしてたまらなくなったのか、僕の方をじっと上目遣いで見つめてくる。


その顔、ヤバい…

いつもリラがキスして欲しい時にする、悩ましげな顔を見て、僕は思わずズギュンと胸を撃ち抜かれた。

ここでキスしたら止まらなくなりそうだ…


そう思うのに、リラのこの顔を見て、無視できるほど人間が出来ていない僕。

髪を撫でた後、頬に手を添えてゆっくりとリラの唇を奪った。


ちゅ…


触れるだけのキスが弾ける音がして、おでこ同士をくっつけると、リラは僕の目を見つめながらふふっと笑った。


「幸せ…」

「僕も、幸せだよ」

「もっと幸せになりたい…」


そう言いながら、リラは僕の身体にワザと自分の身体をぴとっと密着させながら僕を見た。

普段の僕なら、即リラの服を脱がせていたところだけど、今日は隣の部屋にリラの父がいる。

名残惜しくもリラの身体を自分から少し離して言った。


「今日はお父さんがいるからダメ」

「…お兄ちゃんが隣で寝てる時はしたのに」

「む、蒸し返さない!」


痛いところを突かれた僕は、咄嗟にリラの頬をむぎゅっと手で寄せた。


「今日はお預け」


そう言うと、リラはむーと僕を可愛い顔で睨みながら言う。


「じゃあ、くっついて寝るだけ。いい?」

「…寝るだけ…まぁ…いいよ?」


それがどんなに大変なことか、この子は分かっていないらしい。
リラは嬉しそうに僕の身体にまたぴとっとくっついてきた。

この体制のまま、リラに手を出さないで夜を明かすのか…
眠れるだろうか…


「真の試練は今からだったのかもしれない」

「え?何の話?」

「いや?こっちの話。
おやすみ、リラ。」


そう言い合って、2人でゆっくりと目を閉じた。




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