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【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】

第44章 ラスボスとの初対面




アハハと笑い飛ばしながらそう言うフリーダムな父を見て、僕とリラは同時にツッコミを入れた。


「ぼ、僕に会うために…」

「そんな理由?!お父さん、正気?!」


イギリスから日本までの約6000マイルの距離を、ただ娘の彼氏が見たい。という理由だけで移動して来た父親に、リラは呆れた声を出す。


「まあまあ!いいじゃないか!
こうして久しぶりに会えたんだし」

「そりゃあ、そうなんだけど…
で、今日はどこに泊まるの?」


そう。僕もそれが気になってた。
よく聞いてくれた。とリラにいい子いい子してあげたい気分になりながらも、リラパパの返答を待つ。

すると、あっけらかんとこう言ってのけた。


「?ここに泊めてもらうつもりだったが?」

「な!何言ってるの!ダメ!無理!」

「えー」

「えーじゃないでしょ!
父と彼氏と一つ屋根の下でなんて、却下!」


娘にこっぴどく怒られ、残念そうにしょんぼりと肩を落とすリラパパを見ていると、何だかとても居た堪れない気持ちになってくる。

お人好しの僕は、思わずリラに提案した。


「ま、まぁ…いいんじゃないか?
1日だけだし、せっかく久しぶりの再会なんだろ?」

「零!」


何言ってるの!?と半分呆れ気味のリラをよそに、リラパパは僕の手をぎゅっと掴んで嬉しそうに笑った。


「本当かい??ありがとう!!
いやあー、さすがリラが選んだひとだ!」


屈託なく笑う顔は、その年齢の男性には似つかないほど無邪気だ。
なんか、リラママはキリッとしたキャリアウーマン!って感じだっただけに、この父の天真爛漫さはものすごいギャップ…


「…パパとママが離婚した理由わかるでしょ…」

「まあ、なんとなく…」


リラがはぁ…とため息を吐きながら言うのを、僕もちょっとたじたじになって笑いながら聞いていた。




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