【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第6章 First kiss
室内はシンとしている。
やっぱり寝ているのか。
それなら、今日はソファーで寝よう。
そして明日の朝、リラよりも早く起きればいい。
そう思いながらLDKに入ると、僕のその作戦はあっさり崩壊した。
僕が寝ようと思っていたソファーの上には、リラが無防備にすやすやと眠っている。
ソファーの周りには、ライブの資料のような紙が散乱していた。
きっと仕事をしながら寝落ちしたんだろう。
散乱した紙を拾い集めていると、その資料のほとんどに、リラの細かい書き込みがある。
ライブに来てくれる人を想って、どんな内容にすればいいのかを必死で考えているリラの姿が目に浮かんだ。
「…仕事熱心ですね。」
本当に、身を削るようにして歌を歌って…
感心しているのか、むしろ呆れてるのかよくわからない感情のままソファーで眠る彼女に目線を落とすと、同時にリラがソファーの上で器用に寝返りを打つ。
「ん…」
着ているパジャマの裾が少し捲れて、へそがチラッと見え、ショート丈のパンツからは白くて長い脚がすらっとソファーの上に伸びている。
思わずドキッと胸が鳴る。
「さすが、芸能人…」
もはや何の効果もないそんな言い訳をしながら、僕はリラをソファーから抱き上げた。
軽い…
以前、レコーディングスタジオで眠るリラを抱きとめた時も同じことを思った。
思っていたよりも数倍、リラの身体は軽い。
背は女性にしては高い方なのに。
中にちゃんと内臓入ってるのか…?
そんなことを思いながら、リラをベッドに優しく下ろすと、リラがむにゃ…と寝言を言った。
「ん……ヒロ…」