【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第6章 First kiss
安室side
「しまったな。思っていた以上に遅くなった」
車を自宅マンションの駐車場に停めながら、車の中の時計を見てぽつりとそう溢した。
時刻は24時
リラはもう眠っているだろうか。
特に何の連絡もないってことは、とりあえず危ない目には合っていないようだな。
また、同じベッドの端と端で眠るのか…
ここ数日、ずっとそうだ。
眠っていると、隣から香るリラがよく使っているボディークリームの匂いがたまに僕の理性をくすぐって、眠れないこともある。
やっぱり、前のままソファーで眠った方がマシだったかも…
そう思うけど、今更またソファーに戻ったら、リラは傷付く気がする。
結局僕はまたリラとベッドで眠るんだろう。
出来るだけ端に寄って、リラをうっかり襲ってしまわないようにして。
…前に、好きだった彼女へは、結構積極的に手を出していたんだけどな…
そう思ったとき、ふと我に帰る。
好きだった…?
え、今も好きだよな?あの子のこと…
どうして、過去形なんだ。
くしゃ…と自分の頭を掻きながら、僕は自宅のドアを開けた。