【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第43章 バーボンよりライなのか ☆
指差したのは、零が手に取ろうとしていたカシスリキュールではなく、ライ・ウイスキー
その瞬間、零の眉がピクリと動いた。
「これ…?バーボンじゃなくて?」
「うん。独特の味がクセになって好きなの」
「……バーボンじゃなくてライ…」
「??どうしたの?
何でそんなにショック受けてるの?」
何故か零は傷ついたような、ショックを受けたような顔してるから、思わず首を傾げるわたし。
まさかライ・ウイスキーは地雷だった?!
なんで地雷?!
って言うか、不可避じゃない?!その地雷!
そう思っていると、零は不服そうにグラスにライを注いだ。
「割り方はどうする?」
「ロックで!」
「いきなりロック?!」
「?うん。わたし、お酒は基本薄めないから!」
にこりと笑うと、零は、はは…と苦笑いしながらもわたしにウイスキーロックを手渡した。
こうしてわたしと零の初めての晩酌は静かにスタートしたのだ。
*
*