【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第6章 First kiss
シャワーを浴びて髪を乾かし、LDKに戻るが、安室さんはまだ帰ってきていない。
「…遅いな。何の用事だろう。」
なるべく早く帰るって言ってたんだけどな…
そう思いながら、ソファーにごろ…と寝転がりながら、今度のライブで着る衣装の案に目を通した。
思えばわたし、安室さんがいつも何をやってるのか知らないな…
カフェと探偵業をやっているのは知ってるけど、どんな人と一緒に仕事してるとか、依頼人はどんな人だとか、安室さんは自分の話をほとんどしない。
窓の外を見ると、ぽつぽつと雨が降る音がした後、ザーーと土砂降りの雨が降ってきた。
雨、すごい…
安室さん、濡れてないかな。
車だろうし大丈夫か。
早く、帰ってこないかな…
そんなふうに、誰かの帰りを待つのは初めてかもしれない。
…もしかして、元彼女と会ってるのかもしれない。
わたしの歌を聴いて思い出して泣くぐらい好きな元彼女。
安室さんが忘れられない元彼女、一体どんな人なんだろう…
そんな風に安室さんのことばかり考えていると、結局衣装案のチェックなんて全然集中できなくて、わたしは疲れもあってゆっくり寝落ちしてしまった。