【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第43章 バーボンよりライなのか ☆
一瞬、考え込んでいると女子高生は僕の顔を覗き込みながら首を傾げる。
「もしかして、彼女とお酒飲んだことないの?!」
「あぁ…思い返してみれば…」
無いな…
リラは家では絶対に酒は飲まない。
外食するときも、料理と一緒に飲むのは烏龍茶かアイスティー、水ばかり。
僕がウイスキーを家で飲んでいる時に隣にいた事はあったが、リラと晩酌は思えば一度もしたことがなかった。
そんな頭の中が透けて見えていたんだろう。
女子高生たちは突然ニマッと笑いながら僕を取り囲んだ。
「酔っ払った彼女に安室さんがメロメロになるとこ、見てみたーい!」
「え!ていうか実際どうなの!?
彼女にメロメロ!?」
「そりゃあんな可愛いんだから、あむぴもメロメロになるよねー?!」
と、ゴシップ好きの女子高生は、芸能記者ばりに僕とLilaの関係を聞き出そうとする。
「生憎、君たちに見せる機会はありそうに無いですねぇ」
そう言ってはぐらかしながら、サンドイッチを作るためにカウンターの中に戻ったものの、その話も一理ある。と思った。
リラは酒に酔うとどんな感じになるんだろう。
甘えん坊になるんだろうか?
それとも、割と面倒臭い感じになるんだろうか?
笑い上戸になる?泣き上戸になる?
想像すら出来ないぶん、一度見てみたい気がする…
そう言えばリラは明日、一日オフだと言っていたし、今日の帰りに何種類か酒を買って、夜、晩酌に誘ってみるか…
すっかり作り慣れたサンドイッチを準備しながら、僕の頭の中はリラと初晩酌でいっぱいだった。
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