【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第42章 探偵ごっこ
宝石みたいな夜景に包まれながら、零にキスをされた。
何度も、わたしの味を確かめるみたいなキス。
キスの合間にふと目を開けると、斜め上のゴンドラに乗る人が、わたしたちのキスを見ながら呆れたような目をした。
だけど、わたしは いいでしょ? そう思った。
こんなに素敵な人と愛を重ねることができて、羨ましいでしょ?
そんなこと思いながら零の首に腕を回して、甘いキスの虜になっていると、零はゆっくりと唇を離した。
「…っやめないで…もっとしたい」
離された瞬間、突然寂しさが襲ってきて、縋るように今度は自分から零にキスをした。
「っん…リラ…
僕ももっとしたいけど、もうすぐ地上だよ」
「…じゃあ早く帰りたい」
自分がもう少し遊びたいと言ったくせに…
そんなワガママすら可愛くて仕方ないんだ。
僕はリラの肩を抱いて、耳元で囁いた。
「じゃあ、帰ったら朝まで抱くよ?」
「…それは困るからやっぱり帰るのやめる」
まさかの返答に、僕の余裕なんて一瞬で消え去る。
「…そっか。そうだよな」
あからさまに傷ついた顔をしてる僕に、リラは顔を赤くして俯きながら言った。
「だって、零と朝までしたとき、次の日仕事中何度もそのこと思い出して、顔がニヤけちゃうんだもん」
両手で顔を覆いながらそんなことを言うリラ。
リラの言動一つ一つが、僕の心を揺さぶって余裕を掻っ攫っていくことに、この子は気付いているんだろうか。