【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第42章 探偵ごっこ
安室side
トロピカルランドの観覧車にカップルで乗ると、別れる
なんて、くだらない都市伝説をふと思い出した僕は、リラにいいの?と聞いた。
リラはその都市伝説を知らなかったらしく、きょとんと首を傾げて何が?と聞いた。
そうだよな。
そんなの、僕たちには少しも関係ない。
僕とリラが別れるなど、今後も絶対有り得ないから。
そう思いながら、僕たちは観覧車のゴンドラに乗り込んだ。
向かい合わせではなく、隣同士に座って一緒の窓からトロピカルランドの夜景を眺めた。
「結構高いね…!
あ、ねぇ。あれベルツリーかな?」
観覧車から見える夜景を笑いながら楽しむリラに、僕はぎゅっと抱きついた。
「れ…零?」
「…今日、どうしてあいつといたんだ?」
そんな、独占欲丸出しの質問をしている顔を見られたくなくて、僕はリラを後ろから抱きしめて、リラの肩に顎を乗せた。
「たまたま偶然、トロピカルランドの入り口のところで会ったの」
「ふぅん」
たまたま偶然会ったってほんとか?
あいつ、まさかリラのこと尾けてるんじゃ無いだろうな…
よくよく考えたら、藤亜蘭は売れっ子のミュージシャンで、そんな暇はないことぐらいわかるのだが、僕の脳内では要注意人物に認定だ。
面白くなさそうに口を尖らせていると、リラは僕の顔を覗き込みながら嬉しそう笑った。
「もしかして、ヤキモチですか?零さん?」
「…あぁ。妬いてるよ」