【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第42章 探偵ごっこ
「今日はありがとうございました。
…憧れの降谷先輩とデートできて、嬉しかったです」
「…僕は、君が憧れるような男じゃないよ」
「モテる男はみんなそれ言いますから」
「…今日、君とずっと一緒にいながら、僕はリラのことばかり考えてた。
リラと一緒に来たらどうだろうって。
そればかり。最低だよ」
零はそう言って申し訳なさそうに小鳥遊さんに謝るけど、わたしは心の底から嬉しいと思ってしまった。
独占欲、嫉妬心からくるこんなマウント、取りたくないのに。
自分がどんどん醜くなるのを感じてしまう。
「…仕方ないです。
彼女、芸能人なんだもん。
勝ち目なんてない」
「…リラが芸能人だから付き合ってるわけじゃないですよ。
リラ自身に惚れてるんだ…」
「…そうですよね。ごめんなさい。
じゃあ、私もう行きますね。」
悲しそうに笑った小鳥遊さんは、そう言って立ち上がった。
そして、ぺこりとお辞儀をする。
「1日付き合ってくれて、本当にありがとうございました。あと、ストーカーも捕まえてくれて、ありがとうございました。…さよなら」
「さよなら。…好きになってくれて、ありがとう」
そう言うと、小鳥遊さんは背中を向けて零のもとから去って行った。