【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第42章 探偵ごっこ
過去に何度も告白されたことあるって言ってたし、今だってポアロのイケメン店員とか言われて、女の子に絶大な人気を誇ってる。
今日もすれ違う人たちはチラチラと零の方を見てた。
きっと隣にいる小鳥遊さんが零の彼女に見えるんだろうな…
零の恋人はわたしなのに。
本当なら、わたしが零とトロピカルランドデートをするはずなのに。
あ…やばい。泣きそう。
そう思った瞬間、藤さんの手が伸びてきてわたしのおでこをビンッとデコピンした。
「ばぁーか」
「いたっ!!何するんですか!」
誰かにデコピンされたのなんて久しぶりすぎて、ちゃんと痛いおでこを抑えながら藤さんを睨むわたし。
「しょんぼりしてる顔、ブスだな」
「ぶ!!?ブス?!」
これでも一応、女の子がなりたい顔ベスト10にランクインしてるんだけど!!?
と、現役芸能人のプライドがブスと言われたことを許さないわたし。
そんなわたしを、藤さんははいはい。といなしながら、わたしの手を引いた。
「ほら、あいつら建物の中に入ったから、列抜けて出口で待ち伏せよう」
言われるがまま、わたしたちはミステリーコースターの出口近くにあるベンチに腰を下ろし、2人がアトラクションから出てくるのをじっと待った。
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