【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第42章 探偵ごっこ
日曜日
わたしは仕事だと嘘をついて、零よりも1時間早く自宅を出た。
何なら、仕事よりももっと重要なミッションをこなすため、わたしはまだ誰もいないトロピカルランドの入り口付近に到着した。
そう。
今日の零のデートを見張るために、わざわざ早起きして張り込みを開始したと言うわけだ。
だって、あの子、どさくさに紛れて手とか繋ぎそうなんだもん!!
なんなら、事故キス装ったりしそうだもん!!
芸能界でもたびたび噂になる小悪魔系女子という人種は、ほんっとに自然にボディタッチするし、男の人をドキドキさせるテクニックたくさん持ってる。
小鳥遊さんも、雰囲気からしてそう言うタイプに違いない…
と、完全に決めつけてるわたし。
朝っぱらから女1人でトロピカルランドの入り口を見張る、一見不審者のわたしを、道ゆく人はジロジロと見てる。
いいのよ。今日はもう芸能人とか関係なく、零のデートの一部始終をこの目に焼き付けてやる!
そう思っていると
「あれ?Lila。」
よく知った声がして、ハッとそっちを見ると
「藤さん!!」
「何やってんだこんなところで。
コソコソして怪しいな」