第42章 探偵ごっこ

「私、やっぱり降谷先輩が好きです。
再会して、あの頃の気持ちが溢れてきて…」


これは…告白？
だよな…？

リラ以外に好きだと言われるのは、思えば随分久しぶり過ぎて、何だか変な感じだ。

少し驚いた僕だけど、相変わらず冷静に返事をした。


「…ごめん。彼女がいるから、気持ちには応えられない」

「…わかりました。
じゃあ、せめて一度だけデートしてください」

「え？？」


せめてとは？？！
と、このとんでもない打診に僕は目を丸くした。


「降谷先輩と、デートしたいです。
そしたら、いい思い出として胸にしまって、キッパリ諦めます。
…もう、連絡もしません」

「…いや…」

「お願いします…」


ぎゅっとスカートの裾を掴みながら、深々と頭を下げてお願いされると、それを振り切って断ることは僕には出来なかった。


「…じゃあ、一度だけ。
それで、もう電話もメールもしないで欲しい」

「わかりました。」

「日付は…日曜日が予定空いてるけど、どう？」

「私も休みです！
日曜日の朝9時にトロピカルランドのエントランス広場で待ち合わせにしましょう？」

「わかりました。」


仕方ない。
一度デートすれば諦めると言っているわけだしな…

問題はこれをどうやってリラに伝えるかだ…

そして、これを聞いたリラの反応はおそらく…

怒る
泣く
拗ねる
悲しそうに笑う

どれかだろうな…
できるだけ、リラに心配させないように伝えなければ…

小鳥遊とのデートよりも、リラにどうこれを伝えるか？の方が僕にとってものすごく重要なことだった。



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