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【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】

第41章 降谷先輩 ☆




彼女の余裕なんて、わたしにはこれっぽっちもなかった。

ワザと、「零」って呼び捨てを少し強調したりして、きっとこの余裕の無さを小鳥遊さんは気付いてる。


「ちょっと、着替えてくるね」


まだ上着を羽織っていたわたしは、部屋着に着替えるために寝室へ向かった。


トレンチコートを脱いでハンガーにかけ、部屋着に着替える最中にさっき見た光景を思い出す。


あの子、零の手を握って何か言おうとしてなかった?!

あんな小動物みたいな顔して、ウルウル目を潤ませて、上目遣いで見る。
完全に、恋してる女の顔だった…


「まずい!どうしよう!!」


涼宮さんのビッチ感(言い方)の時とは、また違った危険な香りがする…

というか、零さんモテすぎでしょ…
さすがのわたしもこんなに頻繁にライバル退治してる余裕ないよ…


はぁあ…とため息を吐いて、今日1日の行く末を案じていると、スマホがブルッた。


「?」


見ると、藤さんから


「浮気現場、ちゃんとキャッチできた?」


と意地悪なLINEが。


「浮気してないから!!o(`ω´ )o」


と返事をしたものの、夜はこれからだ。
まさか…わたしが寝てる間に2人が急接近したりしない??!


自分の家のはずなのに、一瞬たりとも気が抜けないこの状況に、わたしはため息を吐きながらまたリビングに戻った。





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