【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第40章 わたしの恋人は
翌日
朝から公安警察の任務のため、ベッドで眠るリラの頬にキスをして、家を出た僕はRX-7の運転席に乗り込んだ。
ちょうどその時、僕の降谷零のスマホが鳴り響く。
画面を見ると
着信 風見裕也
と表示されていた、
「なんだ。こんなに朝っぱらから…」
そう思いながら、通話ボタンをタップし、受話器を耳につけた瞬間、もしもし?と言う前に風見の奇声が聞こえた。
「降谷さん!!!!!!!」
キーーーンと僕の脳を貫くような大きな声で名前を呼ばれ、若干不機嫌になりながらも返事をする僕。
「どうした…何かあったのか…?」
「フライデー見ましたよ!!!」
「フライデー?」
突然言われたその単語の意味がわからず、僕は電話口で首を傾げた。
「ええ!謎の金髪イケメンって、降谷さんのことですよね?!」
「…話が見えないが、急いでいるんだ。
切るぞ」
「あっ!待って!ふるやさ…」
ブチッ
乱暴に風見との電話を切った後、ため息をつきながらハンドルを握り、サイドブレーキを下ろした。
「風見は、たまに突然人格が変わるから怖いんだよな…」
ふぅっとため息を吐きながら、自分の部下をそんな風に言うあたり、僕も相当悪いヤツだが…
待てよ。
さっき風見が言った言葉が引っかかる。
謎の金髪イケメンって降谷さんのことですよね?
確かにそう言ってたな…
なんだその単語…
フライデー見ましたよ。とも言っていた。
フライデーってまさか…あの週刊誌のフライデー?
僕の頭に嫌な予感が一つ浮かび、その真偽を確かめるために僕は道の途中にあるコンビニに車を停めた。
そして、風見が言う「フライデー」を手に取り、レジで購入を済ませて車の中に戻った。
そしてその雑誌を開くと、1番最初のページに、さっき風見に聞いたワードが見出しとして大きく載っていた。
Lilaの恋人は謎の金髪イケメン!!
記者の前で堂々キス!!
そして、その見出しの下には、僕とリラのキスシーンがデカデカと掲載されている。
しかもカラー写真だ。