【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第40章 わたしの恋人は
幸い、僕の顔はモザイク処理を施されているが…
金髪にこの肌の色…
僕以外の何者でもないな…
まあでも、僕の本名が出たわけじゃないし、これでリラと僕の関係はオフィシャルなものになったわけだし、良かった…のか?
そう自問自答していると、また僕のスマホが鳴った。
また風見か…?
とスマホの画面を見ると、表示されていたのは
着信:雨宮リラ
先ほどの風見の時とは打って変わり、僕は即座に受話器を上げ、優しい声でリラに話しかけた。
「リラ?どうした?」
「あ!零!
あのね、フライデーに零との記事が…」
慌てて電話をかけてきた様子のリラに、僕は平然と雑誌をパラパラ捲りながら返事をする。
「あぁ。今見てるよ。
凄いな。これで僕も週刊誌デビューだ」
「や、やっぱり載ってるの…?
今朝、起きたら山岸さんからLINEが入ってて…
ごめんね?零、立場上目立っちゃいけないのに…」
リラは申し訳なさそうな声で僕に謝ってきた。
「まあ、モザイクかかってるし、大丈夫ですよ。
本名もイニシャルも出ていないし。
…まあでも、この記事が出たってことは、いよいよ藤亜蘭との噂は消えたってことかな?」
「あの…それが…」
「ん?」
気まずそうに、言いにくそうに切り出したリラに、電話口で思わず首を傾げた。
「どうやら、謎の金髪イケメンと藤亜蘭とLilaの三角関係では?
なんて噂が広がってて、コラボ楽曲の売り上げが激増してるみたい…」
「三角関係?!」
人の噂というのは、信じるものじゃないな…
と、この一件で身に沁みて感じた。
結局、その噂のおかげもあり、コラボ楽曲は大成功。
今年1番のミリオンヒットソングとなった。
そしてこのゴタゴタから暫くは、リラに含めて僕まで、外を出る時は変装が欠かせなくなってしまったのだった。
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