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【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】

第40章 わたしの恋人は




そんな風に彼を睨んでいると、ははっと笑いながらまたわたしの頭を撫でた。


「ま、フラれたらいつでも言って?」

「ないです!…というか…」

「ん?」

「藤さん、わたしのどこが好きなんですか?
だって、最初はあんなに嫌ってたし…」

「それは前に言っただろ?
レコーディング。きっかけは。
歌に一切妥協しない、命すら賭けてる。
そんなとこが、俺に似ていたから気になった。
…まああと、顔?」

「か、顔…」

「何だよ。大事な一つの要素だろ?
まあ、一応諦めてやるから。
あと残り少し、仕事よろしく頼むわ。」

「は、はい…
ありがとうございました」


ヒラヒラと手を振って楽屋へと戻って行った藤さん。

とりあえず、藤さんのことはひと段落だ。


そして、今度は隣にいた山岸さんに頭を下げる。


「山岸さん、ごめんなさい。
ノーコメントを貫けって言われてたのに…
ノーコメントどころか、一般人の恋人がいますと公言しちゃって…」

「君が嘘をつけない人間だってこと、僕が1番よく知ってるはずだったんだ。
仕方ない。Lila、一緒にプロデューサーに謝りに行こう?
僕も一緒に頭を下げるから」

「山岸さん…」


いつも頼りなく見える山岸さんは、実はこんな風に事務所の他の誰よりも頼り甲斐がある。

わたしは山岸さんに連れられ、プロデューサーの楽屋へ謝罪をしに向かうことなった。






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