【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第40章 わたしの恋人は
もうこうなった以上、わたしは正直に話すしかない。
もしもこれで売り上げが下がってしまったら、プロデューサーには土下座でも何でもする。
Lilaの恋人は一般人!
と、他の記者も即座に会社にメールなりで連絡している様子だ。
そんな中、相変わらず意地悪な週刊ジャーナルは、続いてこんな質問を飛ばして来た。
「でも、Lilaさん。
芸能人、特にアーティストはアーティストにしか分からない悩みや苦しみがある。
それを分け合えるのは藤さんかな?と思いますがどうですか?」
この失礼極まりない質問に、今まで口を閉ざしていた藤さんが思わず口を挟んで記者を睨んだ。
「おいあんた。失礼な…
「わたしは!
悩みや苦しみを分け合う人が欲しいんじゃない。」
藤さんのフォローを遮るように、わたしは語気を強めた。
そして、シン…となったところで、続けて言葉を発する。
「わたしが、一緒にいて心地いい人が良いんです。
それが、今の彼できっとこの先も彼以上の人は現れないです。
今回のコラボも、わたしが書いた楽曲はすべて彼との思い出を歌にしました。
共感しながら聴いてもらえると、嬉しいです」
そう言って頭を下げるわたしに向けて、無数のシャッターが鳴り響いた。
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