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【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】

第39章 スキャンダルのその先は ☆




安室side


「…ムカつく」


ぽつりと溢れたその言葉を聞いて、山岸さんがあわあわと僕を見た。

まさか安室さんがそんな言葉を使うなんて…
と言いたげな山岸さんは、気を使いながら声をかける。


「ま、まあリリースしてしばらく経ったら否定するから」


そうは言っても、リリースまであと1ヶ月はある。

その間、ずっとSNSで アラリラとかいうカップルネームが飛び交うのを見たり
ポアロで女子高生があの二人の恋について語っているのを聞いたり
TVで芸能リポーターの二人の関係の考察を聞いたり
考えただけで気が遠くなるな…


「この撮影、何時までですか」

「あと少しで終わるよ。
終わったら、Lilaが着替えに楽屋に行くから、安室さん付いて行ってあげてくれるかな?
僕はこのあと別の用があって…」

「わかりました。そのまま自宅に連れて帰ります」

「頼んだよ」


とにかくあの藤亜蘭からはやくリラを遠ざけたい。

僕はMV撮影の様子を眺めながらそんな事ばかり考えていた。


山岸さんが言ったとおり、30分経った頃、監督からオールアップの号令が響いた。


「お疲れさまですー!」


スタッフに一通り挨拶をしたリラは、僕のもとに駆け寄ってきた。


「零!おまたせ!」

「お疲れ様」


そう言って水を手渡す僕はすっかりリラのマネージャーだ。

藤亜蘭はそんな僕たちを横目で見ながら、スタッフへの挨拶を手短に済ませると、さっさと楽屋に戻って行った。

これで、またしばらく彼がリラと顔を合わせることは無くなるな…

自分でも、余裕が無さすぎて驚くよ。

ふぅ。と安堵の息を吐いた僕を、リラは首を傾げながら見た。


「零?
着替えて帰る準備するから、楽屋行こ?」

「あ、あぁ。」


リラに手を引かれ、僕も一緒に楽屋へと戻った。



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