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【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】

第39章 スキャンダルのその先は ☆




MV撮影は滞りなく進んだ。
発売するCDの初回限定版に、わたしたちのコラボのメイキング映像が追加されるらしく、撮影の合間もずっとカメラがわたし達を捉えていた。

休憩時間、スマホをいじりながらMV撮影再開を待っていると、隣に藤さんが腰を下ろした。


「このコラボもMV撮影が終われば終了ですね」

「なんだ。嬉しそうだな」

「そ、そんなことないですよ?」


図星を突かれて思わず目を逸らしたわたしに、藤さんは鋭いツッコミを入れる。


「嘘つくのが下手すぎる。
芸能人のくせに、ポーカーフェイスもできねーの?」

「できますよ!!」

「へえ?お、それ美味そうだな」


わたしのスマホの画面に写っているハンバーグの写真を見て、隣にいる藤さんはわたしの肩に顎を乗せてわたしのスマホを覗き込んだ。


「ちょ!ち、近いです!!」


すぐそこに零がいるのに!
というかこれメイキングに乗るんでしょ!?
わたし達の関係は事実無根だとあとから否定する予定なのに全然説得力無くなるじゃない…!


そう思ったわたしは即座に藤さんから距離をとった。


「意識しすぎ」

「や、藤さんがあんな事言うから!」

「あんなこと?」


わたしのこと好きって言ったじゃない!
と、声に出しそうになってやめた。

このままじゃ藤さんのペースに巻き込まれてまた良からぬことが起きそうな気がして仕方ない。


「じゃあ撮影再開しますー!
Lilaさんと藤さん、こちらへスタンバイお願いします」


「あっ!はーーい!!!」


スタッフからの呼びかけに、わたしは思わずホッとしたのを隠す暇もなく、わたしは呼ばれる場所に小走りに向かう。

すぐ後ろで藤さんが


「ポーカーフェイス下手くそか」


と、またちくりと嫌味を言っていたのが聞こえた。





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