【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第39章 スキャンダルのその先は ☆
安室side
リラは泣きそうな顔して家に帰って来た。
僕にあの週刊誌のことを話すのが、相当怖かったんだろう。
その目が、あの噂は誤解だと言う紛れもない証明だった。
「どうして、そんなに優しいの?」
そのリラの問いに、僕はたった一つ、シンプルな答えを伝える。
「好きだからだよ」
そう言ってリラにキスをした。
そしてまた好きだと伝えて、唇を重ねる。
好きと言う言葉を、お互いの気持ちを繋ぎ止めるために使っているような、罰当たりな使い方だ。
リラ。
君の歌声は本当に素晴らしくて、きっとこれからも大勢の人の光になるんだろう。
僕だけのものになって欲しい。
四六時中、ずっと隣にいて欲しい。
朝起きた時に隣にいて、朝出る時に見送って欲しい。
僕が帰ったら、家でおかえりって言って欲しい。
そして、寝るときは手を繋いで一緒にベッドに入りたい。
これら全部が最後に叶った日は、思えば何日前だっただろう。
忙しすぎる2人だから、好きだと言う言葉に縋り付かないと、たまに見えなくなる。
リラがちゃんと僕を好きでいてくれるか、自信が無くなる。
だから、僕は好きだと何度も言う。
好きだと言ったら、リラは必ずわたしも好き。と返してくる。
その言葉が無性に聞きたくなるんだ。
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