【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第39章 スキャンダルのその先は ☆
そう言うと、零の優しい手のひらがわたしの頬に重なった。
「だから、大丈夫。
そんな顔しないで」
「っ…零…どうして?」
必死に我慢していた涙が、零の優しさで溶かされて一気に溢れた。
そして零のあたたかい指がそれを器用に拭う。
「どうして、そんなに優しいの…」
「好きだからだよ。」
たった一つ、シンプルな答えを提示した零は、ゆっくりとわたしの唇を奪った。
「っ…ん…」
「…好きだよ」
そう言って唇を離して、わたしが返事をする前にまたキスをする。
「ん…れ…い…」
「好きだ」
「わたしも、大好き…零…」
好きだと言われるだけで、満たされる。
好きだと言われるだけで、他のこと全部どうでも良くなる。
零しか見えなくなる
ねえ、零
もしも零が歌をやめろって言うなら、わたしはマイクを捨てるよ
ステージの上で歌える資格を失ったとしても、わたしは零の隣にいたい。
ずっと、隣にいたいの…
*
*