【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第39章 スキャンダルのその先は ☆
「…わかりました。」
「!?山岸さん!」
「Lila。プロデューサーの言う通り、ここはノーコメントを貫こう。
嘘をつくわけじゃない。
ただ、リリースまでは否定するのはやめておこう。」
山岸さん、プロデューサーにそう言われ、藤さんも仕方ないと言う感じだ。
わたしだけだ。
反対しているのは…
社会人として、どうすべきかは一目瞭然だった。
「…わかりました。」
藤さんと付き合っているというデマを肯定するわけではない。
ただし否定もしないということは、世間はきっとわたしと藤さんが付き合っていると思う人も出てくるだろう。
零にはちゃんと話して謝らないと…
コラボが終わるまで。
リリースしたら否定すれば良い。
日本を代表する歌姫とか、人気アーティストとか、いろんな肩書きをつけられてきたけれど
蓋を開けてみれば結局は、大人の言うことに従うしかできない、ただの飼い犬だ。
自分の無力さに、わたしは握った手の力をグッと強めた。
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