【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第5章 背中に触れた時
安室side
リラの方を向いて寝転がると、リラと目が合って思わずドキッとした。
僕はいつも、リラに心臓を動かされると、芸能人だからドキドキして当たり前だ。と予防線を張っていたが、もしかしたらこれはリラだからなのか…?
ふとそう思ったことをリラに気付かれないように、僕はリラの頭を撫でて言う。
「おやすみ」
そして、くるっとリラに背を向け、ベッドの極力端の方まで行くと、とにかく寝てしまおうと目を閉じた。
起きていたら、何かやらかしそうだ。
そう思っていると、僕の背中にリラの指が触れた。
思わずまたドクン…と心臓が鳴る。
自分で、触れるのは禁止で。なんて言っておいて、自分から触れてくるなんてどういう神経してるんだ…
そう思いながら、ドクドクと鼓動が速くなる。
背中がだんだん熱くなってきた。
寝たふり…寝たふりをしよう。
そう思っていると、リラがあろうことか僕の背中にぴとっとくっついた。
どういうつもりなんだ…
翻弄されている自分を自覚しながらも、リラの本心が読めず、全意識が背中に集中する。
心なしか、ふに…と柔らかい感覚が背中にあり、こないだ下着姿で抱きついてきたリラを思い出した。
まずい…理性、飛びそう…
そう思った瞬間、リラの香りがふわっと鼻をくすぐった。
甘い、チェリーブロッサムの香りが。