【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第5章 背中に触れた時
思い切ったことを言ってしまった…
だって、流石にもう1週間ソファーだよ?
ここは安室さんの家なのに。
そう思うと、思わず一緒に寝ようと言ってしまった。
安室さんは少し迷った後、何も言わずにゆっくりベッドに座って、そのまま身体を横に倒した。
ベッドで並んで寝転がると、思ったより距離が近い。
ドキドキと心臓がうるさい。
どうしよう。
わたしいびきかいたり、よだれ垂らしたりしないかな…
急に不安になってくる。
安室さんはそんなわたしを見透かしているのか、わたしの頭をぽんぽんと撫でた。
「おやすみ」
優しい声でそう言うと、くるっと向こうを向いてベッドの端の最小限のスペースを使って眠りだした。
「おやすみ…なさい…」
わたしは思わず安室さんの方を向いてしまう。
安室さんの後ろ姿を見て、なぜか胸が高鳴った。
広い背中…
わたし、どうかしてる。
自分でもこの感情がなんなのか分からない。
なのにわたしはゆっくり手を伸ばして、安室さんの背中に触れた。
もっと、安室さんの近くに行きたい。
ただそう思って、ゆっくりと身体を寄せ、安室さんの背中にぴとっとくっついた。
温かくて、大きくて、海みたいな落ち着く香りがする。
何やってるんだろうわたし。
どう思っただろう、安室さん…
離れないと…そう思うのに、どうして?
安室さんの体温が、心地いいと思ってしまった。