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【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】

第5章 背中に触れた時




安室side


さて、今日もソファーか。
もうすっかり慣れたな。ここで寝るのは。


そう思いながらソファーの上に寝転がろうとした瞬間、リラが僕の部屋着の裾を引っ張った。


「ん?どうかした?」

「…安室さんをずっとソファーで寝させるの、悪いです」

「もう慣れたから大丈夫ですよ」


リラの頭をぽんぽんと撫でながらそう言うと、リラはぎゅ…っと部屋着の裾を握る力を強めた、


「わたしが、ソファーで寝るよ」

「いや、いいですよ。
僕はソファーで平気ですから」

「やだ。ベッド使ってください」

「…だから、言ったでしょう?
僕は君をソファーに寝かせられない。
そうなると一緒にベッドで寝ることになりますよ?」


きっとそう言えば、大人しく僕をソファーに残し、リラはベッドで寝るだろうと思っていた。

だけどリラは、その予想を遥かに超えたことを言い出す。


「いいですよ」

「…え?」

「一緒に寝ましょう。ベッドで」


…え…
本気で言ってるのか…
これは、誘われてる?
まさかの…?


そんな風に困惑していると、リラは顔を真っ赤にして言う。


「あの!ただし!
…触れるのは禁止で…
寝転がるだけ…」


あぁ、そりゃそうだ。

一瞬パニックになった自分が少し恥ずかしくなってくる。


並んでベッドに寝転がると、謎に心臓がうるさく鳴った。

冷静に考えれば、女の子と同じベッドで眠るなんて、手を出すなと言う方が無理な話だ。

毛利探偵にくれぐれもと言われていなければ、うっかりリラを押し倒しているところだぞ…

それにしても、リラから一緒にベッドで寝ようなんて言ってくるとは、よほど僕は信用されているんだろうな…

その信用を、そのうちあっさり裏切ってしまいそうで怖くなる。


僕だって、男ですよ…


そんなことを思いながら、リラの瞳をのぞいていた。



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