【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第36章 ドS男の過去 ☆
安室side
「ん。
あのね、藤さんにね、あんたのこと嫌いじゃないって言われた!」
そう嬉しそうに言われ、僕はピシッと固まった。
嫌いじゃないって…
わざわざ言うか?どう言うシチュエーションで言われたんだよそれ。
リラが、わたしのこと嫌いでしょ?とでも聞いたのか?
それなら嫌いじゃないよ。と返すのはまだわかる。
けれど、相手から「あんたのこと嫌いじゃない」って言うのはもうイコール好きって言ってるようなものじゃないか?
散々余裕ぶっていた僕だったのに、リラの一言で一気に焦りに変わる。
不仲だったくせに!!!
この1日で一体何が…
頭の中はそのことばかりが駆け巡り、夕食の間もリラが色々話してくれたのにほとんど頭に入って来なかった。
交代でシャワーを浴びて、髪を乾かした後に寝室に戻ると、リラは寝室に取り付けたプロジェクターを使って、テレビを見ていた。
そして、寝室に入ってきた僕に気付き、嬉しそうにベッドをぽんぽんと叩く。
「零くん!はやくこっち来て?」
出た。零くん呼び…
たまに甘える時にそう呼んでくるリラ。
わかりやすくハートを射抜かれながら、僕は吸い込まれるようにベッドのリラの隣に入った。
肩を抱き寄せると、リラが嬉しそうに笑う。
「零…大好き…」
「…僕も」
そう言ってリラにキスをした。
ちゅ…と唇を重ね、ゆっくり離すと、リラは僕に擦り寄りながらおねだりしてくる。
「もっと、キスして?」
「いいよ…」
リラの身体を抱きしめ直して、角度を変えてまた唇を重ねた時、プロジェクターのリモコンにリラの手が触れ、チャンネルが回った。