【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第35章 ベテルギウス ☆
まさかすぎるリラの行動に、僕は思わずぷっと吹き出した、
「あはははは!!
お茶ぶっかけた?このイケメンに!?」
「わ、笑い事じゃないよー!
コラボ、上手くいく気がしない…」
「リラ」
僕はリラの身体を抱き上げて、僕の膝の上に座らせた。
そして、リラの顔にかかる髪を手で梳きながら言った。
「リラなら大丈夫、きっとすぐにリラの良さに気づくよ。」
「ほんとかな…ゴミを見るような目で見られたんだけど…」
「本当。リラは、誰より魅力的な人だから」
そう言うと、リラは嬉しそうに笑って僕にギュッと抱きついてきた。
本心だったんだ。
リラは誰より魅力的だから、きっとこの人もリラの魅力に気づく。
ビジネスパートナーという垣根を超えていくほど、リラは魅力的だということは、よく考えたらわかることだったのに。
この時の僕は、危機感というものを全く覚えていなかった。