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【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】

第35章 ベテルギウス ☆




リラがお風呂から上がった時のために、炭酸水でも作っておいてあげようか。
そう思い、キッチンに向かおうとした時、リラがリビングに無造作に置いたバッグを僕が歩いた拍子に足をぶつけてしまった。

中身がバサ…と広がり、僕は慌ててリラの荷物を拾い上げる。
その中に、仕事の企画書のような資料が目に入った。

この仕事が、今大変なのか…

そう思いながら丁寧にバッグの中にそれらを片付け、改めてキッチンへと向かった。


それにしても、リラがあんな風になるなんて、どんな仕事なんだ?
企画書の中身は見ていないけど、1ヶ月で10曲作らないといけないとかそういう?

ソーダストリームで炭酸水を作った後、ラズベリーソースを中に入れてあげた。
リラはお風呂上がりにこれを飲むのが好きだから。

本当に、リラにはやたらと尽くす男になってるな、僕は。
そんな自分に呆れながらも、まるでポアロで出すドリンクのようにミントで飾り付けをしてフッと口角をあげる僕。

しばらくすると、お風呂から出たリラは僕の姿を探してキッチンにやってきた。


「あ!ソーダ水だ!!」

「髪、ちゃんと乾かさないとあげないよ」

「えー!一口だけちょうだい?」

「…いいよ」


リラに可愛くそうおねだりされて、僕は自分の口にそのソーダ水を含むと、リラの唇を奪い、口移しでそれを飲ませた。

僕の口から運ばれたほんのりラズベリーの味がするソーダが、リラの喉をこくりと通る。


「ん…」

「美味しい?」


ゆっくりと唇を離してリラを見ると、リラは顔を赤くしながら


「もっと飲みたくなっちゃった」


そう言った。
思わず、リラの誘惑に負け、リラを抱き上げてベッドまで運びそうになったけど、このまま濡れた髪を乾かさないでいるとリラが風邪を引いてしまう。

一瞬でそう思い直した僕は、


「じゃあ、ちゃんと髪乾かしてきて?」


そう言って、リラの額にキスをしてまた脱衣所に返した。



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