【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第35章 ベテルギウス ☆
安室side
今日もリラは仕事が遅くなるみたいだ。
夕飯も外で済ませるからいらないと言われ、僕は自分の夕飯を軽く済ませた後、自宅のリビングでノートPCを触りながら仕事をしていた。
ふと時計を見るともう22時。
そろそろリラが帰ってくるかな。
そう思っているとちょうど、玄関のドアが開く音がした。
ガサゴソと靴を脱ぐ音がしたかと思えば、LDKの扉が開いて中にリラが入ってくる。
「ただいまぁ…」
ずーーーん…と、ものすごく疲れた様子のリラがとぼとぼと帰宅。
珍しいな。
リラがこんなに疲れた顔して仕事から帰ってくるのは。
いつも、大体は楽しんで仕事を終えて帰宅しているのに。
「おかえり。どうした?仕事大変だった?」
そう言いながら、リラの身体をギュッと抱きしめてやると、リラはううーと唸りながら僕の身体を抱きしめ返した。
「零ーー!」
「ん?」
「頭撫でて?」
そう言ってリラが甘えてくるのは珍しい。
僕はリラの身体を抱きしめたまま、ぽんぽんとリラの柔らかい髪を撫でた。
「お疲れ様」
「…癒やされる…」
まるでいつもと真逆だ。
そんなにキツイ仕事だったのか…
「お風呂、湧いてるから入ってきたら?」
「んー…お風呂から出たら、またぎゅってしてくれる?」
「お安い御用ですよ」
僕がそう言うと、リラはふふっと笑って僕から身体を離し、脱衣所に向かった。