【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第35章 ベテルギウス ☆
彼のマネージャーも山岸さんも、わたしたちのやり取りを見ながらあわあわしている。
いや、もう無理じゃない?このコラボ…
この人と仕事できる気しないんだけど…
言い返す言葉も見つからず、言われたい放題になっていると、次の藤さんの言葉にわたしの眉がピクリと動いた。
「どうせ、そんなんで付き合った男も、ロクな男じゃないんだろうし」
その言葉を聞いて、わたしは机の上に置いてあった紙コップに入ったお茶を勢いよく藤さんに投げかけた。
パシャ…と雫が飛んで、思い切り藤さんを睨むと?コップをぐしゃぐしゃにして彼に投げつけた。
「零のこと、悪く言わないで」
自分のことをとやかく言われるより、零を悪く言われる方が100倍許せない。
突然怒ってお茶をぶっかけられた藤さんは、さっきよりも更に鋭い目つきでわたしを睨む。
「藤さんより、いい曲作ってみせますから。
藤さんの今までの持ち歌より。
なんならわたしが作った曲が藤さんの代表曲になるかもしれませんね!!!」
大きな声でそう言い返したわたしは、椅子に置いてたバッグを乱暴に取って肩にかけると、ぷんぷん怒りながら会議室を後にした。
ムカつく!ムカつくムカつく!!
零は関係ないのに、あんなふうに言われて心の底から腹がたった。
「絶対、いい曲作ってみせる…!!」
拳をギュッと握りしめて燃えるわたしの隣で、山岸さんは心配そうに笑いながらわたしを見ていた。