【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第35章 ベテルギウス ☆
「今回のアルバムは、3曲同時リリースで考えてる。
コンセプトやどう言う曲の構成にするかは、2人で話し合って、より良い内容を模索して欲しい。
ただせっかくのコラボなんだから、1曲はデュエット入れて欲しいなー!」
そんなざっくりとした要望を投げつけるプロデューサーに、わたしは恐る恐る藤さんの顔を見た。
眉間に皺を寄せて、不機嫌そうに資料をチェックするあたり、もう怖すぎる…
完全に萎縮してるわたしに、藤さんが声をかけた。
「どうする?」
「えっと…じゃあ一曲目はデュエットにして、それをアルバムタイトルにしましょう。
わたしも藤さんも曲を作るから、片方は作詞、片方は作曲にしたらコラボ感も生まれるんじゃないでしょうか?」
そんなわたしの意見に、藤さんは表情を変えずに返事をする。
「そうだな。
それだと、俺が作詞。あんたが作曲で。
あんな甘いラブソング歌わされるのは御免だ」
なんて、またズバッとわたしの心臓を抉るようなことを言ってくる。
ドS過ぎない??この人!
普段は優しい零にそれはそれは甘やかしてもらっているわたしは、そのギャップにますます萎縮する。