【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第34章 ふるやれい 7さい
安室side
翌朝
「ん…」
朝の光が窓の隙間から差し込み、ぱち…と目を覚ました僕は、リラに頭を抱えられるようにして抱きしめられており、顔はリラの胸の中に埋まっていた。
「…よく窒息せずに寝てたな…」
この幸せ過ぎる空間の中で、ふぅーっと息を吐きながら、僕はゆっくりリラから身体を離した。
離すときに自分の手が視界に入る。
ゴツゴツした無骨な男の手。
昨日、体が戻ることを想定して子供の姿で着たぶかぶかのTシャツとスウェットもぴったりになっていて、元の姿に無事に戻れたんだとホッとした。
…にしてもこんな風にリラの胸に顔を埋めて眠るの、初めてだな…
何なら、毎日こうして眠りたい気も…
下心満載の僕は、このままリラの胸の中で二度寝してやろうとまたリラに顔を擦り寄せて目を閉じた。
その時
「ん…零?」
「あ、ごめん。起こした?」
目を擦りながらリラが僕を見た。
そしてじーーっと顔を見たあと、しゅんと眉を下げて残念そうに言う。
「戻ったのね…」
「そんな残念そうな顔しないでくださいよ」
「だって。今日一緒にトロピカルランドに行って、カチューシャ付けてるチビ零が見たかったから…」
そう言いながら、リラは僕の頭を抱えてぎゅーっと抱きしめながらため息を吐いた。
「…大人の僕は嫌?」
僕にしては珍しく、リラを落としてやろうと上目遣いになって子犬みたいな目でリラを見つめると、あっさりとそれに落ちたリラ。
「っ嫌じゃない!!何その顔!
破壊力すごいよ…!?」
「嫌じゃないなら、キスして?」
そう言って目を閉じると、リラは少し躊躇いながらもゆっくりの僕の唇にキスをした。