【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第34章 ふるやれい 7さい
「今日、ちっちゃい零を見てて、まるで零とわたしの子供みたいに思えて、可愛いかった。
それと同時に、嬉しかったの。
ちゃんと、可愛いって思えて。」
「…?」
「わたし、生い立ちが生い立ちじゃない?
本当の母を恨みながら育ったから、母性本能が欠落してたらどうしようって思ってた。
実際、子供見ても可愛い!!って思ったことなかったし。
けど、わたしもちゃんと可愛いって思えるんだと思うと、嬉しかった。」
そう言うと、リラは僕の身体をぎゅーっと抱きしめた。
「ありがとう、零」
僕と、リラの子供
そんなことを、リラが考えてくれていること自体が物凄く嬉しくて、僕も短い腕をリラの身体に回した。
もしもリラと結婚して子供が生まれたら、どんな生活になるんだろう。
結婚しても、母になっても、歌手は続けるんだろうか。
続けて欲しいな…
リラが歌っていることが、何より僕の癒しだから。
「リラ」
「ん?」
「そんな未来が、来ればいいな」
そう言うと、リラは微笑みながら僕の髪を撫でた。
リラが好きだと言ってくれたこの金髪を。