【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第34章 ふるやれい 7さい
「ねえ。零の頭洗ってあげる!」
「へ?いいです、自分で洗えます」
「遠慮しないで?人に頭洗ってもらうのって気持ちいいよ?」
と、言われるがまま鏡の前の椅子に座らされ、気付けばリラに上からシャワーをかけられている。
「零の髪って、本当に綺麗な色だよね」
「…昔から、この髪が嫌いでした」
「どうして?」
この髪色のせいで、昔から上級生に目をつけられたり、英語を話せと揶揄われたり、トラブルの元凶になることが多かったから。
そんな風に黙ると、リラは笑いながら言う。
「わたしは好きだよ。零の髪。
毎朝起きたら、零の髪が朝の光で透き通っててすごく綺麗なの。」
そんなこと人に言ってもらったの、初めてだ。
僕と言う存在そのものを愛してくれているリラが、愛しくて仕方ない。
嬉しくて、すぐにリラにキスをして抱きしめたい衝動に駆られたけれど、今のこの身体じゃそれすらも満足にできない。
「はあ…早く元の体に戻りたい」
「もし、明日戻らなかったら遊園地に連れて行ってあげるね!」
「縁起でもないこと言わないでください」
リラにわしゃわしゃと頭を洗われながら、明日になっても身体が元に戻らないというイヤな想像をしてしまい、僕は思わずぶるぶると首を振った。
明日元の体に戻ったら絶対にリラを抱く。
そんな決意を密かに胸に秘めて。