【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第34章 ふるやれい 7さい
しばらくわたしにまるでぬいぐるみのようにむぎゅむぎゅされた零は、コホンと咳払いをして言う。
「…で。阿笠博士は電話で何と?」
「あ、効果が切れるのに12時間って言ってたよ?」
「つまり、明日の朝までこの姿か…
服も無いし、困ったな…
まあでも幸いにも、この後は風呂に入って寝るだけだったし、良かったと思うべきか…」
そう言って零が両手を広げるとダボダボの服が強調されてさらに可愛さが増す。
いつもの零はカッコいいが99%を占めているのに今の零は可愛いが100%だ。
かっこいい要素は皆無。
可愛いの大洪水。
大人の安室透の服を着たままの零くんをこのままずっと見ていたい気もするけれど、流石に不便そうだ。
「わたしの服ならまだマシかな?ぶかぶか具合」
「まあ、これよりは…」
「取ってくるね」
そう言ってわたしのミニ丈のパーカーを持ってくると、ちっちゃくなった零の上から着せてあげた。
わたしが普段着るときは、お腹をチラ見せするぐらいの丈のパーカー。
子供の零が着たら丈は膝まである。
袖はぶかぶかだけど捲れば着られそうだ。
何より
「か、可愛すぎる…」
わたしのパーカーを零が着る日がくるなんて…!!
しかも、めちゃくちゃ可愛い…可愛すぎる!
自分のパーカーをぶかぶかに着たちっちゃい彼氏が可愛すぎて、思わずまた抱っこしてむぎゅむぎゅするわたし。
「ちょ、リラ!また?!」
「だって!可愛すぎるんだもん零くん…」
自分の彼氏の身体が縮むという、世にも奇妙な体験を従順にも受け入れたわたし。
ちび零くんとたった半日の共同生活がスタートした。